最高裁判所第二小法廷 昭和43年(オ)501号 判決 1968年11月15日
上告人
鈴木雅也
被上告人
工藤延夫
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告人の上告状記載の上告理由一および上告人の上告理由について。
本件記録によれば、上告人は、本件の原審の第二回口頭弁論期日(昭和四三年二月二一日午前一〇時)について、同一の日に仙台地方裁判所古川支部に係属する他の民事事件の期日の指定をうけていることを理由として、期日変更の申請をしていることが明らかである。しかし、かかる場合には、上告人は、本件の右期日指定前に右他の事件の期日指定があつたことを主張し、かつ、その旨を明らかにする資料等を提出することを要するところ、かかる主張もなく、かつ、かかる資料等の提出もなかつたことは、明らかである。されば、原審が右本件の期日変更申請を却下したのは、正当であつて、所論の違法はない。
なお、論旨中には、原判決が憲法三二条に違反すると主張する点もあるが、その実質は、要するに原審が上告人のした前記期日変更申請を却下したことが違法であるというに帰するところ、右却下が適法であることは、前記説示のとおりである。
されば、論旨は、すべて採るをえない。
上告人の上告状記載の上告理由二および三について。
上告人が所論の事実を原審において主張していないことは、本件記録に徴し明らかである。論旨は、原審において主張していない事実をもつて原判決を論難するものであるから、採るをえない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(草鹿浅之介 城戸芳彦 石田和外 色川幸太郎)